あなたを勇気づけ、 励ましてくれる3分間。
毎週月曜日に替わる「こころの電話」で紹介したお話を紹介しています。
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東京以外の地域からの電話

バスの中で    
 
 先日、バスに乗っていたときのことです。若いお母さんが、まだ生後二、三ヶ月の赤ちゃんを抱き、ベビーカーを持って乗ってきました。赤ちゃんとベビーカーを抱えていますから、混み合ったバスの中に乗り込むだけでも大変そうでしたが、お母さんは降りるときのことを考えたのでしょう、周りに気を遣いながらも、私のいたバスの前方へとなんとかやってこられました。
 すると、近くに座っていた老婦人が彼女に気が付き、席を譲ってあげられたのです。若いお母さんはとても嬉しそうにお礼を言いつつ座席に腰掛け、ホッとした表情で赤ちゃんをあやしていました。
 私はその光景を見ながら、自分のことよりも、困った方にとっさに席を譲られる老婦人の優しさに、この上ない嬉しさを感じていました。
 その後、いくつめかの停留所でお母さんは下車する準備を始めました。赤ちゃんを抱き、ベビーカーを抱えながら、リュックから財布をとりだし、料金を支払おうと一生懸命です。
 今度は、私が手をさしのべようと思ったその時、すでに料金を支払い、降りようとされていたご婦人が、さっとベビーカーを持ち一緒に降りてあげたのです。
 人間には、困った人を助けることが出来るという、すばらしい働きがあるということを実感する出来事でした。
 いつもはあわただしい朝のバスであるのに、この日はとてもゆっくりとした時間が流れていたのです。
 若いお母さんはバスの中の私たちみんなにお礼を言いながら降りていきました。

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